バティニョールおじさん
ナチスとユダヤをテーマにした作品というと...
「シンドラーのリスト」、「聖なる嘘つき」、「ぼくの神様」、「戦場のピアニスト」などがパッと思い浮かびます。
そうそう、「ライフ・イズ・ビューティフル」を忘れちゃいけませんね(汗)。
「バティニョールおじさん」も、そんなナチスとユダヤが背景にあります。
ただ、先に挙げた名作・秀作の数々とは、少しばかり毛色が違うのです。
何というか、実にほのぼのしているというか、逞しいというか...
バティニョールおじさん...
ナチス占領下のパリで、肉屋を営むハゲおやじ。
ユダヤ人の隣人一家の亡命を、自分が阻止してしまったという罪悪感から、逃げ延びたその家族の子供(シモン)をかくまう羽目に...。
おまけにその従姉2人まで加わって、結局、ユダヤ人の子供3人をスイスへ連れて行くことになります。
何が凄いって、単なる肉屋のハゲおやじが、勇敢で、かっこよく見えてくるから凄い!
生意気だけど、とっても賢いシモンにも驚き。
ラストシーンで、別れ際におじさんが子供達に「ありがとう!」って言うんです。
これを聞いて、“おじさんが、ユダヤ人の子供を助ける話”だと思っていたけれど、実は、“おじさん自身も、自由を奪われた生活から、子供達に助けられた話”だったんだなぁ〜と、気がつきました。
う〜ん、原作者はこれが言いたかったのかなぁ〜〜
ナチスとユダヤの作品は、大抵、観終わった後、何ともいえない気分になるけれど、こんなに清清しい気分になれる作品は珍しいと思います。
おじさんだって、ヒーローになれる!(笑)